TT-02332:NLRP3 インフラマソーム阻害剤(炎症性疾患治療薬)
自然免疫系は、病原性微生物や宿主に由来する細胞ストレスに対する第一線の防御機構として働きます。自然免疫に関わるパターン認識受容体であるNLRP3は、情報伝達因子ASCやプロテアーゼCaspase-1と共にNLRP3インフラマソームを形成し、炎症性サイトカインIL-1βの産生を介して炎症を惹起します。NLRP3インフラマソームは病原体、組織ダメージシグナルに反応することから、炎症性疾患に広くかかわることが考えられています。
ご興味のある方は下記にご連絡下さい。
✉ 村田 正弘(Dr. Murata Masahiro)
✉ 川本 敬二(中国 / Kawamoto Life Sciences IP Advisory)
TT-02332の特徴
- 対象疾患は中枢性の神経性炎症です。
- 当社独自のメディシナルケミストリー技術により合成され、最適化された低分子化合物で、選択的かつ特異的なNLRP3阻害活性をもち、良好な安全性と体内動態を示します。また、高い血液脳関門(BBB)の透過性を有します。
- LPS/ATP誘発の腹膜炎モデルで用量依存的にIL-1βの産生を抑制します。
NLRP3インフラマソーム阻害剤に関するトピックス
J Pharmacol Exp Ther:388, 813-826(2024)情報
- NLRP3 inflammasome 阻害剤(NT-0249, NT-0796)が食事誘発肥満(DIO)モデルで肥満を改善し、効果発現には脳への暴露が必要で、視床下部グリア線維性酸性タンパクの発現も抑制した。
- セマグルチドやカロリー制限による体重減少に匹敵する一方で、NLRP3阻害により、急性期反応、心血管炎症、および脂質代謝の疾患関連バイオマーカーの改善を示した。
パーキンソン病での臨床試験(NodTheraホームページ)
- Phase1b/2aの臨床試験でNRLP3インフラマソーム阻害剤NT-0796がパーキンソン病での血中、脳脊髄液中のバイオマーカーで神経炎症の改善を報告した(2024年3月7日)