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TT-00420: TNBC治療薬

乳癌は、ホルモン受容体のEstrogen受容体とProgesterone受容体、および増殖因子HER2の3要素によって増殖し、それぞれの発現形態によって分類されています。ホルモン受容体陽性型は、Luminalタイプと呼ばれ、乳がん全体の60~70%を占めています。他方、乳がんの10~20%が、この3要素のいずれも陰性の乳がんで、「TNBC(トリプルネガティブ乳がん)」と呼ばれており、予後が不良で再発率も高いことが知られています。

これまでTNBCに対して特異的に有効性を示す治療薬は知られておらず、様々な化学療法剤が経験的に用いられているのが現状です。過半数のTNBCで、EGFRやVEGFRなどの成長因子受容体が過剰発現していることから、抗体医薬やチロシンキナーゼ阻害薬など分子標的薬の臨床試験が実施されてきましたが明確な効果が得られるには至っていません。

TNBCは、LuminalやHER2乳癌と異なり明確な「治療の標的」が存在しないことが最大の課題といわれています。最近ではTNBCが遺伝子発現プロファイルによってBL(Basal Like1/2)、IM(Immuno Modulatory、およびMSL(Mesenchymal and Mesenchymal-Stem Like)のサブタイプに分類することが出来ることが明らかになっています。サブタイプ毎に薬剤を選別する可能性も示唆されていますが最近、単一のターゲットではなく複数の成長因子受容体を複合的に阻害することが重要との論文が報告されて注目されています。当社の開発品TT-0042は、このようなコンセプトに沿った新たなTNBC治療薬となる可能性を示しており、一日も早く患者の皆様に届けることができるよう鋭意開発を進めています。

現在、TNBCの適応症で米国および中国にて臨床試験を実施しており、さらに、2020年10月に胆管癌を適応症とし米国でINDを申請し、臨床試験の準備中です。

TT-00420の特徴